2009年11月09日

スーパーD

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近年最も注目を集めているビタミンは、なんといってもビタミンDです。
ビタミンDというと、カルシウムの吸収や骨の代謝を助ける、つまり骨を丈夫にするビタミンだと思っていました。ところが最近では、ビタミンDの恩恵は骨だけに限らず多岐にわたっており、免疫をコントロールする上でも重要な働きをしているという見方が増えてきました。

例えば:
風邪やインフルエンザに罹りにくくする。
年をとってから呆けるのを防ぐ。
喘息発作の頻度を減らし、症状を軽くする。
多発性硬化症(MS)のリスクを減らす。
関節リューマチのリスクを減らす(女性)。
(タイプ1)糖尿病のリスクを減らす。
高血圧や心臓病のリスクを減らす。

など次々と嬉しくなるような可能性が示唆されるようになりました。もちろん可能性は可能性にすぎません。絶対にそうである、と断定するために必要な直接証拠(エビデンス)はまだ不十分で研究段階と言えます。それでもドラッグストアに並ぶビタミンDサプリメントの数がここ一年で大きく増えたのは間違いありません。

ビタミンDと癌との関係についても既に研究が始まっていますが、結果は様々で専門家の意見が分かれている状態のようです。私が最も興味深いと思ったのは、アメリカで1179名の閉経後の女性対象に行われたトライアルです。参加者はサプリメントとして毎日カルシウム(1500mg)を摂るグループ、カルシウムとビタミンD(1100IU)の両方摂るグループ、何も摂らないグループの3つに分けられ、調査は4年間続きました。すると、何も摂らないグループに比べてカルシウムを摂ったグループは47%、カルシウムとビタミンDを摂ったグループは60%も癌の罹患率が低い、という結果が出たのです。ただこのトライアルは、もともと骨折の頻度を調べるのが主目的で、癌の発生率の比較は2次目的でした。そのこととビタミンDのみ摂取するグループがなかった点が足を引っ張り、ビタミンDと癌との係わりを立証するには弱いエビデンスとなってしまいました。

賛成論と慎重論が行き交う中、一足先にビタミンDを臨床に採用している病院もあります。その一つがNY州バッファローにあるロズウェルパーク癌センターで対象は乳がんです。乳ガン患者の70〜80%はビタミンD不足な上、ビタミンD不足と再発率とを結びつけた研究もあることから、ビタミンDを大量に投与する新療法を開始したようです。ロズウェルパークは以前から免疫療法のトライアルをやっていたりして、新しい治療法に対して積極的な病院という印象があります。この試みがどうでるか、それはまだわかりません。しばらく前にビタミンC療法が話題になったものの効果はいまひとつだった、という例もあるので、期待しながらも期待しすぎない方がいいのかもしれません。

ビタミンDの癌予防効果をサポートする状況証拠としてよく挙げられるのは、癌発生率の北高南低傾向です。癌になる人の数は、緯度の高い北に位置する国(ヨーロッパ、北米)に多く、赤道に近い南に位置する国(南アジア、中南米、アフリカ)に少ないことは知られています。たまたま北には経済的に裕福な国が多く、南には発展途上の国が多いため、癌を一種の文明病のように解釈している人もいますが、ビタミンDが関与しているということになれば話が変わってきます。ビタミンDは食べ物から摂ることもできますが、主な源は太陽の光です。年間を通じて強い日差しをさんさんと浴びていたらビタミンD不足にはなりません。

カナダのような北国では冬場の日照時間は本当に短いのです。朝目が覚めるとまだ真っ暗。出勤時には日が昇ってきますが、夕方会社を出るとすでに真っ暗。少なくとも4ヶ月は、お日様をろくに見ない毎日が続くのです。地理的にビタミンD欠乏になりやすいという事実を考慮し、カナダの癌協会はビタミンDのサプリメント(一日1000IU)を摂取することを勧めています。

卵巣ガンも北高南低の癌です。WHOが開発した世界175ヵ国のデータベースを集計したところ、卵巣ガンの罹患率は北、南半球共に緯度の高い地方に高く、赤道に近い地方との差は5倍もあるそうです。卵巣ガンと日光(特にUVB)の量、そして体内に生成されるビタミンDの量との間に何らかの関係があるのかどうか、更なる研究が待たれます。

皮膚でビタミンDを生成するためには、サンスクリーンをつけずに10〜15分間の日光浴を最低週2回は行わなければなりません。ここで問題になるのは、紫外線は皮膚ガン(メラノーマ)の原因になるということです。東洋人は白人ほどメラノーマのリスクが高くないので、1日15分の直射日光はベネフィットの方が大きいような気がします。日焼けは美容の敵だと思っていましたが、健康は美容より大事ですよね。短時間の日光浴、適量のサプリメント、食事(スキムミルク、鮭缶)でビタミンDの補給に努めるのは、手軽に出来る補完療法ではないでしょうか。

情報源:ビタミンD(一般)閉経後女性対象のトライアルロズウェルパークの新療法卵巣ガンの南北差
posted by leo at 19:35| Comment(1) | 食生活/代替医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月02日

その後のインフルエンザ

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日曜日から冬時間に変わり、歩道は落ち葉で埋まり、本当に秋の深まりを感じる今日この頃です。

夏の間は話題になることの少なかったH1N1ですが、ここにきてパニックが再燃してきたようです。

私住んでいる市では先週の月曜(10月26日)からワクチン接種が開始され、第一陣として医療に従事している方々が接種を受けました。一般向けの接種は今日(11月2日)からの予定でした。

ところがワクチン接種開始日の26日に、市郊外に住む13歳の男の子がH1N1で急死するという事件が起こりました。この少年は、地元のアイスホッケーチームのメンバーとして活躍するスポーツマン。既往症もなく健康そのものでした。フルの症状が出始めたのが土曜日。そしてその48時間後には亡くなられました。

このニュースのショックでワクチン接種を希望する人の数が急上昇。市内の特設ワクチンクリニックは予定を繰り上げて木曜日(10月29日)にオープンしました。その時点では、とりあえず土曜日(31日)まではハイリスクの人に対象を絞り、月曜からは当初の予定通り一般向けの接種を始めるという話でした。ところが蓋を開けてみたらワクチンクリニックは長蛇の列。妊婦さんや小さなお子さんを連れたお母さん達が何時間も外で待たされたあげく、ワクチンが足りなくなって接種を受けられないという事態になってしまいました。

ワクチン接種の計画を立てたのは州の健康省(Ministry of Health)なのですが、どうやら毎年行っている普通のインフルエンザのワクチン接種計画と同様の扱いをしていたようなのです。要はH1N1もインフルエンザ。他のインフルエンザと比較して特に危険度が高いわけではないという見方です。疫学上はその通りなのかもしれません。でも人間の心理はそんなに論理的ではありません。そもそも人は新しいものに対しては警戒心が強いのです。マスコミの影響もあります。普通のインフルエンザでも亡くなる人はいるでしょうがニュースになることはありません。H1N1で犠牲者がでればそれはすぐ報道され、マスコミに煽る意図がなくても『こわい病気』という認識は強まります。政府はそのあたりの意識や空気の違いを見誤っていたようです。週末に計画を練り直し、結局一般人へのワクチン接種は12月以降までおあずけとなりました。

このワクチン騒動でもう一つ浮上した問題があります。ヘルスケアはパブリックが前提のカナダにも少数のプライベートクリニックが存在します。プライベートクリニックで病気の治療をすることは法律上許されませんが、予防医学の一環としてワクチン接種を実施するのはOKなのです。市内の某高級プライベートクリニックは会員向けにH1N1ワクチンを確保してあり、会員は外で並ぶこともなく、綺麗なオフィスビルの中にある個室でゆったりとH1N1のワクチンを受けることができるそうです。お金のある人がない人より大きな家に住み、いい車に乗って、豪奢なバケーションを楽しむ、というのは仕方がないことです。でも、お金のある人がない人より基本的な医療サービスに簡単にアクセスできる、というのはカナダでは由々しき問題なのです。当然マスコミにたたかれ、州や市の関係者からも非難の声が上がっています。大企業の社長も失業中のシングルマムと一緒に外で並ぶべきなのでしょうか。原則論でいえば並ぶべきなんでしょうね。

ともあれ、大騒ぎにはなっているものの職場や友人を見る限りでは特別インフルエンザが流行っている様子はありません。キモセラピーはとっくに終わってハイリスクでもないし、ちゃんと手を洗ってうがいをしてれば私は大丈夫って気がします。
posted by leo at 17:37| Comment(2) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月31日

少数派の悩み

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卵巣ガンと一口に言いますが、実際には卵巣にできた様々な悪性腫瘍の総称なので、グループ名とでも言ったほうが正確なのかもしれません。ただ、卵巣ガンの90%くらいは上皮性(epithelial)のため、一般的には卵巣ガンと言ったら上皮性卵巣ガンを指すようです。

上皮性卵巣ガンは更に組織型の違うサブタイプに分かれています。頭数が一番多いのは漿液性(serous)で尚且つ悪性度の高い(グレード2、3)タイプです。いやらしいことに、この種の癌はしばしば突発的(de novo)に発生するそうです。つまり病変が時間をかけて癌化するのではなく、いきなり癌が出現してサァ〜っと散らばってしまうわけです。そのせいか漿液性は発見時に既にステージIII以上であることが多いのが現状です。救いは白金やタキサンといった抗がん剤に反応しやすいことで、進行癌であっても初期治療後は寛解することが珍しくありません。再発率も非常に高いのですが、その話は暗くなるのでやめにして今日の主役、少数派の話に移りたいと思います。

漿液性の次に多いのは類内膜(endometrioid)です(欧米の話)。類内膜型も抗がん剤にはよく反応する一方、漿液性のようにすぐ広がることはないので、卵巣ガンの中では最も予後のいいタイプだと言われています。といってもいい事ずくめではないようです。人によっては類内膜卵巣ガンと子宮内膜ガンの多発に見舞われることがあります。この場合、転移なのか多発なのかが手術後の組織検査まではっきりわからないらしく、また手術自体が癌の多発を想定して行われるとは限らないので、それぞれの癌のステージを決める際に医者の間で意見の相違が生まれたりして、靄に包まれたような診断を受けることがあるそうです。さらに、術後のフォローアップが卵巣ガンは化学療法、子宮体ガンは放射線療法が基本なため、両方受けなければならなかったという人もいます。聞くだけでも大変そうです。

粘液性(mucinous)と明細胞(clear cell)は、どちらも欧米では数が少なく『珍しい癌』の部類に入るようです。両タイプ共、比較的転移しにくくステージIのうちに発見されることが多いので、全体的に予後は決して悪くはありません。(特に粘液性)その反面、この2タイプは比較的抗がん剤が効きにくいという評判があり、手術で癌が取りきれなかった場合や再発の際に治療が難しくなる可能性がでてきます。これらの組織型にもっと適した抗がん剤はないのでしょうか?

粘液性卵巣ガンは腫瘍の組織が大腸の上皮組織に似ているそうです。そんなことからイギリスでは、オキサリプラチン+カペシタビンという大腸ガンの治療に使われる薬と、標準コンボのカーボプラチン+タキソールを比較するトライアルが始まりました。対象は粘液性の人に限られているそうなので、規定を満たすだけの参加者がちゃんと集まるのかどうか心配ですが、興味深い治験だと思いました。

明細胞型の人の期待を集めている薬として最近耳にするのがトリセル(temsirolimus)です。再発者対象の治験が幾つか行われており、組み合わせとしてはカーボプラチン+タキソール+トリセルやドキシル+トリセルなどがあるようです。トリセルはmTORキナーゼ阻害剤で話題の新薬のひとつです。腎臓細胞ガンの治療用としては既にアメリカFDAの認可がおりています。明細胞は卵巣、子宮のほか腎臓ガンにも見られるそうです。そしてどの臓器で出来た明細胞も遺伝子的に似通っていることから、腎臓細胞ガンの薬が明細胞卵巣ガンにも効果があるかどうか、現在試しているところなのです。この薬がよく効くということにでもなったら、また日本で大騒ぎになりそうですね。ただ癌の治験は結果がでるまで何年もかかるので気長に行く末を見るしかありませんが。

最後にまた漿液性に戻りますが、漿液性でも悪性度の低い(グレード1)ケースは漿液性全体の10%くらいしかなく、悪性度の高いグループと色々な面で違いがあるようです。悪性度が低いと進みが遅いので基本的に予後はいいのですが、抗がん剤が非常に効きにくいので再発すると治療が困難です。MDアンダーソンの記録によるとキモ奏功率4%という超低空飛行なのです。近年遺伝子の研究がすすみ、低悪性度の漿液性卵巣ガンは境界悪性腫瘍(LMP)により近いことが判明し、高悪性度の漿液性とは根本的に違うタイプだと考えられるようになりました。といってもまだそれに合った治療法は確立されておらず、とりあえず今のところはホルモン療法(レトロゾール)くらいしか頼るものがないようです。

本当に病気と言うのは様々で、それぞれに悩ましい問題を抱えていますね。

多数のサイトを参考にしましたが主なところだけリンクをつけておきますね。(遺伝子話のまとめ記事粘液性の治験トリセルの治験低悪性度の漿液性

それにしても明細胞は英語で検索しても研究者の名前が日本人ばっかりで驚きました!
posted by leo at 20:26| Comment(2) | 卵巣がんニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月24日

ホルモン療法

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癌の中には完全寛解後も、再発防止または再発遅延のため経口薬の服用を続けるのが標準治療の一環となっている癌もあります。維持療法(maintenance)とか地固め( consolidation)とかいうやつです。卵巣ガンにはきまった維持療法はなく何もしない場合の方が多いようです。このことは一般にはあまり知られていないのか、家族からも友人からも「飲み薬なしなの?」と驚かれました。

例えば、乳ガンでエストロゲン受容体陽性の方たちは、ホルモン療法という維持治療で薬を何年か飲み続けると聞きます。ホルモン療法に使われる薬にもいくつか種類がありますが、どれも女性ホルモンであるエストロゲンに対して作用し、その発生や働きを抑制するのが仕事です。

卵巣ガンは閉経後に罹患率が高く、また閉経前だったとしてもエストロゲンの主な生産源である卵巣を手術で摘出してしまうので、ホルモン療法はあまり役に立ちそうにない…というのが素人の読みです。しかしながら、溺れる者は藁をもつかむというか、何事も試してみなければわからないという探究精神の表れなのか、ホルモン療法系の薬の卵巣ガンに対する効果を調べる治験は過去に何度も行われました。ただどれも小規模のトライアルなのでエビデンスとしては弱いようです。

まずはタモキシフェン。この薬は乳ガンの治療に於いてかなり以前から活躍しています。抗エストロゲン剤というカテゴリーに入り、エストロゲンが体内のエストロゲン受容体と結合するのを阻む働きがあります。卵巣ガンの腫瘍自体がエストロゲン受容体を持っていることは知られており、このことからタモキシフェンの効果が期待されたわけです。小さな治験の結果を足し合わせた分析によると奏功率は9.6%(623人中60人)、また病気の進行を止めた例は31.9%(411人中131人)でした。結果はぼちぼちって感じですね。

卵巣を取ってしまうとエストロゲンの量が大幅に減りますがゼロになるわけではありません。副腎から分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)が、脂肪細胞の中でアロマターゼという酵素と結合してエストロゲンに変わるのだそうです。この結合を防ぐのがアロマターゼ阻害剤(AI)という種類のホルモン療法薬です。この薬は乳ガンのホルモン療法で閉経後の患者に勧められるということなので、卵巣ガンとの相性もいいかもしれないと思いましたが、やはりエビデンス不足で使用の一般化には至っていないようです。ちなみに2007年に発表されたスコットランドの小規模な治験によると、レトロゾールというアロマターゼ阻害剤を毎日服用した場合、6ヶ月以上腫瘍の増大を抑えられた人が26%(42人中11人)いたそうです。(ただしこの治験のスポンサーはレトロゾールを販売している製薬会社だったそうですが…)

抗エストロゲン剤やアロマターゼ阻害剤を使用する場合、乳ガンと卵巣ガンでは基本的な違いがあるように思われます。ホルモン療法が乳ガン治療の中で主に地固めであるのに対し、卵巣ガンでは既に再発してしまった人の癌をコントロールするのが目的のようなのです。例えばCTに小さな影やら粒やらが写っているものの症状はまだ出ていない場合や、CA125が確実に上昇していて再発の疑いが濃厚な場合(少なくとも30以上とか…本当に上がっている時です!)などに使って病気の進行を遅らせ、殺腫瘍系の抗がん剤治療の開始まで時間稼ぎをするのです。ホルモンに作用する薬は殺腫瘍系の薬(白金、タキサンなど)に比べるとマイルドでパンチが弱めです。癌が大暴れし始めたら本格的な抗がん剤に頼らざるを得ません。が、それを出来るだけ遅らせてQOLを保ちつつ生存期間も延ばす。言い変えれば病気をうまく共存するための療法なのだと思います。

卵巣ガンのホルモン療法は未だ実験段階ですが、医療サイトの掲示板などを見るとアメリカでは幾つかの癌センター、クリニックで既に試されているようです。書き込みによると効き目があった人、なかった人と様々ですが、腫瘍のグレード(悪性度)が低い場合に効くチャンスが大きいという情報もありました。ホルモン療法を採用する理由としては、もし効果がなくても副作用が弱いのでダメもとで使えるということらしいです。とはいえ副作用が全くないわけではありませんし、自分の財布が痛まなかったとしても保険会社や州の保険制度の負担が増えるので医療費高騰の一因にはなります。費用対効果に厳しく目を光らせているカナダでは一般化しそうにない…かな?現在国内でエキセメスタンというアロマターゼ阻害剤のトライアル中なので、その結果によっては進展があるかもしれません。抗エストロゲン剤の副作用としては血栓症のリスクが上がること、アロマターゼ阻害剤の方は残り少ないエストロゲンの発生を更に押さえ込んでしまうので、骨粗しょう症になりやすくなることなどが挙げられます。普通の抗がん剤の副作用がきついので、それに比べればたいしたことないという話なんでしょうね。

それにしても脂肪の中で女性ホルモンが作られているとは知りませんでした。だから私は更年期がマイルドなのかしら?

MedHelpの卵巣がんコミュ掲示板のホルモン療法スレはこちらです。Ramsay14さんとgah_70さんのコメントが参考になります。
posted by leo at 17:08| Comment(6) | 抗がん剤(一般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月15日

感謝祭のお食事考

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カナダでは10月の第2月曜日がサンクスギビングデー(感謝祭)です。今年は12日でした。サンクスギビングにつきものの食べ物というと、詰め物をしたターキー(七面鳥)に甘酸っぱいクランベリーソース、デザートのパンプキンパイなどが挙げられます。こうした肉中心の西洋料理は健康に良くないという意見も聞きます。確かにこれらの料理をフルコースで食べたら、カロリーも脂肪も摂取過多になりそうです。ただ素材を一つずつ見ると必ずしも身体に悪いものばかりではありません。

ターキーは鶏肉によく似ていて、鶏よりさらにあっさりした口当たりです。肉は全てだめと主張している極端な食事療法もありますが、医学的・科学的に食べ過ぎると癌や心臓病のリスクが上がると指摘されているのは、レッドミート(牛、豚、羊など生の状態が赤いお肉)と加工肉(ハム、ソーセージなど)で、チキンやターキーは含まれていません。

アメリカで50万人の男女(50〜71歳)を対象に先ごろ行われた食生活と健康の調査によると、レッドミートを沢山食べる人のグループ(1日平均約127グラム)は少ししか食べない人のグループ(1日平均約14グラム)に比べて、調査期間中(約10年間)に亡くなったり病気になったりする人の割合が多かったことが判明しました。癌に関しては、特に食道がん、肝臓がん、大腸がん、肺がんで、レッドミートを沢山食べる人と食べない人の間に発生率の差が認められました。同様に、加工肉を沢山食べる人のグループ(1日平均約42グラム)は、あまり食べない人のグループ(1日平均3グラム)に比べて大腸がんと肺がんになりやすいという結果もでました。ただし卵巣がん、乳がん、前立腺がんなどでは肉の消費量と罹患率の相関関係は認められませんでした。この研究の他にも過去に似たような調査結果が複数発表されていることから、アメリカやカナダの癌研、癌協会はレッドミートと加工肉の消費を減らすよう促しています。ちなみにカナダの癌協会はレッドミートは週に255グラム以下、加工肉(硝酸塩が入っているので)なるべく避け、たま〜に食べる程度にするようすすめています。

評価が下り坂のビーフやポークにひきかえ、チキンやターキーは魚と一緒のホワイトミートのカテゴリーに入り、良質なタンパク源として人気を博しています。調理法は皮なし(ササミ♪)で蒸したり焼いたりがいいようです。(唐揚げはだめですよ〜。)

サンクスギビングの話に戻りますが、ターキーの詰め物によく使われるのはワイルドライスです。ワイルドライスは厳密にはお米ではなく、湖や川岸に生えているイネ科の草の実だそうです。北米では昔ネイティブインディアンの方達が主食にしていたと聞きました。カナダのワイルドライスは田んぼでなく自然の水辺で栽培されており、伝統的なナチュラルフードとして名物になっています。ワイルドライスは黒くて長米よりもっと細長く、日本米の感覚でふっくら炊くのは無理ですが、詰め物やスープの具にすると美味しいです。玄米以上に栄養豊富という説がありますので雑穀ファンの方は是非お試し下さい。

サンクスギビングのターキーはクランベリーソースで食べるのがスタンダードです。甘酸っぱい、なんだかジャムっぽいソースと肉の組み合わせは日本人の味覚にはあまりマッチしない気がします。でもクランベリーは膀胱炎や歯肉炎防止に役立つのに加え、ポリフェノールの一種アントシアニンが豊富でトップクラスの抗酸化作用もあります。さらに、ラボの実験によると癌の予防や治療の補完効果があるかもしれないという情報も流れました。さらなる研究が現在進行中のようです。クランベリーは非常にすっぱくて生では食べられません。一番手軽なのはジュースですが、マフィンやスコーンなどにもクランベリー入りのものをよく見かけます。(と〜っても美味しいです。)

…とウンチク話を書いてきましたが、実は私は料理の才能ゼロなので、まともなサンクスギビングディナーを自力で用意したことはありません。親切な方に誘っていただいた時だけおすそ分けを頂戴しています。

レッドミートと癌についての情報はここここここを参照しました。
posted by leo at 19:16| Comment(2) | 食生活/代替医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月11日

久々の病院

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先週の火曜日に久しぶりに癌専門病院へ行ってきました。キモ終了3ヶ月めのチェックアップです。(正確には最後の治療から4ヶ月経ってます。)といっても…
CTスキャン→無し
腫瘍マーカー→無し
超音波検査→無し
なのでチェックアップなのか何なのかよくわかりません。

そのあたりの疑問について職場の同僚との会話の再現です。
同僚:検査がないのなら何で病院に行かなくちゃならないの?
私:ん〜、まあ元気でやってるかどうか様子を聞きたいんじゃない?
同僚:それだけのために2時間待たされるわけ?
私:今回はそんなに待たなかったよ。あとお腹とか触ったりする内診はしてくれたけど。
同僚:え〜そんなので癌がわかるの?
私:癌が腹腔内である程度大きくなってきたらわかるみたいよ。卵巣ガンの再発は腹腔内で起こることが確率的に多いらしいし。
同僚:大きくなったらって、大きくならないうちに何とかしなくていいの?
私:ん〜、それがね、再発の場合は早期発見はあんまり重要じゃないんだって。
同僚:どうして?
私:初めて癌が出来た場合は早期発見すれば完全に治るチャンスがあるけど、再発の場合はどうせ根治はないからだよ。
同僚:…
私:あっでも卵巣ガンは再発しても治療したらまた寛解するから大丈夫よ。
同僚:そうなの…?
私:うん、それに治療はどうせ州のガイドラインに沿ってやるだけだから、再発した癌がすごく小さくてもちょっと大きくなっていても同じキモ、同じ回数、同じ薬の量でしょ。だったらあんまり早く治療を始めても損な気がするし。
同僚:はぁ?
私:だってCT撮って小さな腫瘍が見つかっちゃったら治療を始めない訳にはいかないでしょ。でも小さいうちは症状もないし普通に暮らしていられるのに、キモを始めたら途端に白血球の数が下がったりして大変じゃない。キモが効かないほど癌が大きくなっちゃったら困るけど… 除草剤撒くにも適した時期があるようなものなのかもしれない。キモはやる度に身体が弱る治療だから、なるべく効率よくやってもらった方が私も助かるわ。
同僚:でも大きくなりすぎて手遅れにならないか心配じゃないの?
私:そう言われると心配になるから言わないでよ。だから3ヶ月に一度チェックアップがあるのかな?症状に気づかない鈍い患者もいるかもしれないし。私はそんなに鈍くないからね。(笑)

という訳で気をつけるべき症状については、お通じの変化と腹部の膨張感が赤信号のようですね。ただお腹が張ったりシクシクしたりすることは健康な人にも時々起こるので、あまり神経質になるのもどうかと思います。症状が継続的に起きたり、頻繁に起きたり、程度が重かったり、いくつかの症状が合わせて起きたりした場合が要注意だと言われました。それと私の場合は皮膚の下にできたグリグリ。主治医はまたあれが現れる可能性が強いと見ています。あのグリグリ君たちは、簡単に発見できるし抗がん剤の効き目もすぐわかるという便利な存在なので、再発の際には出てきてくれると好都合なのですが、そううまくいくのかなぁ?とりあえずまだ現れてはいません。あと1年くらいは出てこないでね。
posted by leo at 18:04| Comment(4) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月03日

ハーセプチン

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会社の乳癌サバイバーの人と話していて、化学治療は6回で終了し、その後は何もしていないと言ったら、あら〜ずいぶんあっさりしてるのねと驚かれました。その人は手術後ハーセプチンの点滴に1年通い続けたのだそうです。

ハーセプチン(トラスツズマブ)はHER2陽性の乳がん治療に使われる分子標的剤です。乳がん治療を大きく前進させた薬と言われています。HER2蛋白の過剰発現は卵巣がんにも起こることがあるようなのですが、ハーセプチンが治療に使われることは稀です。

その昔アメリカで最初にハーセプチンの治験をした折には、対象者は乳がん患者と卵巣がん患者と両方だったそうです。その時点では卵巣がん患者の3分の1くらいはHER2陽性なのではと期待されていたのですが、ふたを開けてみたら陽性は10%どまりでした。そんなわけでフェーズ2、3の治験は乳がんに焦点を絞り、卵巣がんはレース棄権のような形になってしまったようです。

その後も卵巣がんを対象にハーセプチンのトライアルがいくつか行われましたが、どれもぱっとしない結果でした。例えば2003年のアメリカのトライアルでは837人の腫瘍サンプルを検査して、HER2の過剰発現が認められたのは95人のみ(11.4%)。その内の41名が、その他の基準を満たしてトライアルに参加したものの、ハーセプチン単剤が奏功したのはたったの3名(7.3%)。無進行期間の中央値は2ヶ月。臨床上の価値はあまりないと結論付けられてしまいました。

2007年のフランスの治験ではHER2陽性の率はさらに低く、321人中22人(6.7%)でした。その内の7名がカーボプラチン+タキソール+ハーセプチンのコンボ治療を受けたところ3名は完全奏功、2名は3ヶ月無進行という結果でした。ただこのトライアルは分母がどうにも小さすぎる上、初期治療の人も混ざっていたので、カーボ+タキソールだけでも効いたんじゃないのかという疑問が残ります。

治療の恩恵を受ける人が少ないとはいえ、ゼロでないのもまた事実です。再発して使える薬が少なくなってきた時に、まぐれ当たりを信じてトライしてみたいと思う方もいるでしょう。少なくともHER2陽性かどうか検査してもらう価値はあるかもしれません。ちなみにハーセプチンの卵巣がんへの使用は、日本では自費、アメリカでは保険次第(または自費)、カナダでは無し(医療はパブリックなので自費の枠が無い)という状況のようです。テイラーメイド癌治療への道のりは長いですね。

白金系やタキサン系の抗がん剤に比べると、ハーセプチンは副作用が少ないというのが魅力です。でも1年間も点滴に通うのは嫌だから使えなくてもまあいいや、と(今は)思います。

参考にしたのはこれこれこれです。
posted by leo at 21:22| Comment(2) | 抗がん剤(一般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月26日

希望の口紅

早いもので9月もあと少しで終わりです。
アメリカやカナダでは9月はOvarian Cancer Awareness Month(卵巣ガン認識向上月間)です。ちなみに10月はBreast Cancer Awareness Month(乳ガン認識向上月間)で、街中ピンクリボンだらけになります。それに負けじと今月はいたる所でティールリボンを見かけました…というのはウソです。卵巣ガンは患者数も少なく知名度も低いので、強化月間の盛り上がりも実は小規模でした。

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そんな地味〜な卵巣ガンですが、意外なことに華やかな企業の支援を受けていることを知りました。化粧品やヘアケア商品を作っているロレアルは、1997年から卵巣ガン研究のための基金を募ったり、病気の正しい知識(初期症状、リスク要因など)の普及に努めているようです。またColor of Hopeというキャンペーン用のメイク製品を扱っており、単品の場合売り上げ1点につき1ドル、セットの場合は5ドルがOvarian Cancer Research Fund(OCRF)というNPOに寄付されることになっています。さらに今年の9月1日より、OCRFとCancerCare(別のNPO)とのタイアップにより、Hope Lineと呼ばれる卵巣ガン専用のトールフリーサービスを立ち上げました(1-877-OV-HOPE-1)。電話をするとガン患者を専門にしているソーシャルワーカーからカウンセリングを受けられるそうです。(アメリカのみなので残念ながら私は使えませんが…)

とてもオサレなColor of Hopeのホームページはこちらから、Hope Lineのページはこちらからどうぞ。

企業が何らかのチャリティに係わり儲けの一部を社会に還元する、というのは北米では当たり前のことになっています。もちろん営利企業ですから、イメージアップで売り上げアップを狙うという側面もありますが、寄付として集めたお金はきちんとその目的のために使われています。ワラをもつかむ思いの人に得体の知れないものを売りつけて儲けよう、という発想とは根本的に異なります。

ロレアルのサイトは、さすが化粧品会社だけあって垢抜けていて、ガンの話をしているとは思えないほど綺麗です。が、卵巣ガンを商品化しているという印象は、私は受けませんでした。ガンになった人のほとんどは、ガンと診断されるまでは自分がガンになるとは考えてもみなかったのではないでしょうか。身体の不調を感じながら放っておいたために、ガンが進行してしまうこともよくあると思います。ガンという病気にとって早期発見がいかに重要かを考えると、現在健康な人に卵巣ガンという病気のことを知ってもらうことは非常に大切です。そういう意味ではガン協会などの固いサイトよりも、こうした企業サイトの方が親しみやすくていいような気がします。(健康な人がガン協会のサイトを見るとは思えませんし。)病気の辛い面、苦しい面に触れていないという点も、テーマが「希望」であることを考えると仕方ないように思います。

まぁ欲を言えばキモセラピー中の女性向け無料メーク講習会もほしいかな〜。
posted by leo at 16:28| Comment(5) | 卵巣がんニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月17日

空耳と略語

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今週は国際映画祭をやっています。世界各国の映画が出品され、有名な監督や俳優さんも顔を見せるなど華やいだ雰囲気です。私は基本的にヨーロッパ系のマイナーな映画のファンなのですが、アメリカ映画もひとつだけ見てきました。ジョージ・クルーニー主演の『Up in the Air』という作品です。

この映画でクルーニーは、従業員を解雇したいが自分でやる度胸のない雇用主の代わりに嫌な役目を請け負うコンサルタントを演じています。全米をまたにかけ余剰人員をクビにしてまわるクルーニー。1年の4分の3以上は各地に出張なので飛行機に乗ることもしょっちゅうです。そしてこんなシーンがありました。

手際よく搭乗手続きをすませ、ビジネスクラスの席に落ち着いた彼にフライトアテンダントのお姉さんが話しかけてきます。
"Do you want cancer?"
はぁ?と目が点になるクルーニー。そんな筈はないだろうと聞き返すと
"Do you want cancer?"
とまた言われてしまいました。当惑を隠せず再び聞き返すと、スチュワーデスさんは、もうこの人しょうがないわね〜とうんざりした表情で
"DO   YOU   WANT   CAN,  SIR?"
と一語一語区切りながらゆっくり話しました。
彼女は乗客に缶入りの飲み物をくばっていたのです。

ガンになりたいかと聞かれてギョッとするクルーニーの表情も可笑しかったですが、英語を母国語とする人でも聞き取りにくい文章だと聞き間違えるのだ、ということがよくわかる面白いシーンでした。

英語環境で病気の治療をして気づいたのは、長くて難しい単語は会話の中ではあまり使われない傾向があるということです。これは医学に限らず何でもそうなのですが、専門的な用語というのはその分野に精通した人しか知りません。生まれた時から英語を話していても知らない言葉というのは沢山あるのです。また知っていても長ったらしい言葉は使わず、短い簡単な言葉で代用しようとします。

例えば日本語の「転移する」は英語では"to metastasize"なのですが、会話では単に"to spread"(広がる)と言うことの方がずっと多いのです。同様に「再発」は"recurrence"または"relapse"なのですが、会話では"hope your cancer will never come back"(再発しないといいね)というようにカムバックですましてしまうことがほとんどです。

検査レポートに"No definitive evidence of any residual macroscopic disease"(肉眼で捉えられる範囲では残留するガンの確かな形跡は見られない)と記載されている場合、口頭では"You are good"であっさり終わってしまうのが普通です。

また飲む方の造影剤("contrast material")を"drink"と呼んだり、注射("injection")のことを単に"needle"と言ったり、例を挙げたらきりがありません。

略語も多いです。キモセラピーがキモになったり、エマージェンシールームがERになるのはご存知の方も多いと思います。同様に点滴("intravenous line")は"IV"、腹部("abdomen")は"ab"、婦人科("gynecology")は"gyne"等、縮められるものはどんどん短くします。掲示板の書き込みなどではもっとひどくて、診断された("diagnosed")を"dx"、組織検査("pathology")を"path"、腫瘍医("oncologist")を"onco"といったネット略語が飛び交っています。

ところで英語で癌はキャンサー("cancer")ですが、星占いの蟹座も同じくキャンサー("cancer")です。これは偶然ではなく英語の"cancer"(癌)がラテン語の"cancer"(蟹)に由来しているからなのだそうです。なぜ蟹が癌になったのかはよくわかりません。昔日本から遊びに来た人が蟹座で、「え〜キャンサーなの〜」とちょっと嫌そうな顔をしていたのを覚えています。



posted by leo at 16:48| Comment(6) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月15日

走ったり歩いたり

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カナダの短い夏が終わろうとしているので、屋外のチャリティイベントはラストスパートです。先週末はガン関連の大きなチャリティもいくつか開かれました。

ひとつは『The Terry Fox Run』です。テリー・フォックスは、カナダで過去/現在を通じてガンになった人の中で一番有名な方です。若くして骨肉腫にかかり右足を切断後、義足でカナダ横断マラソンに挑みました。29年前の話です。その後彼の遺志を継いで、カナダ中でテリー・フォックス・ランというマラソン大会が毎年9月に開催されるようになりました。今年は13日(日)でした。マラソン大会といっても本当に42キロ走るわけではなく、各ロケーションで距離はまちまちですが5キロ、10キロ、20キロくらいが多いようです。それらのコースを走っても歩いてもよし。自転車、ローラースケート、車椅子でもOK。と自由に参加できるコミュニティイベントになっています。

もうひとつは『Weekend to End Breast Cancer』(乳ガンをなくすための週末)というイベントでした。こちらは土日2日がかりの60キロウォーカソンで、当然のことながら参加者の大部分は女性です。乳ガンの患者さん、元患者さん、患者さんの家族や友達の方なども多数参加されたようです。なにせ女性8人に1人は乳ガンになる国なので、たいていの人は一人や二人、乳ガンになった知り合いがいるのです。女性のパワーを感じさせる迫力のあるイベントでプロモーションビデオまであります。



どちらのイベントも主目的はガン研究のための寄付金集めです。乳癌ウォークの方は基本的に乳癌の研究資金作りですが、今年は婦人科系の子宮ガンや卵巣ガンもおすそ分けをいただけるとのことです。

長距離を走ったり歩いたりするのと、募金集めがどう結びつくのかといいますと、まず参加者はイベントに登録します。そして家族、親類、友人、知人、職場の同僚、学校の同級生、近所の人、思いつくかぎりの人に「○○に参加することになって寄付を集めてるんだけど、どう?」と尋ねまくるわけです。チャリティが文化の一部になっているので、これで結構お金が集まるんですよ。冠婚葬祭にお金をつつむ習慣がない代わりに、「つきあい寄付」というのが社会生活を円滑に営むための必要経費となっているような感もあります。もちろん寄付の詳細(住所、氏名、金額)はきちんと記録して、お金といっしょに主催者に送られます。そして主催者がタックスレシートと呼ばれる領収書を発行します。寄付した人は、この領収書があると確定申告の際に寄付金を控除額として申告できるという仕組みです。なかなか良く出来たシステムでしょ。

私は日本生まれなので、あちこちで寄付を求められることにうんざりしていましたが、だんだん慣れてきた、というか見方が少し変わってきたように思います。ガンに限って考えると、自分が治りたいからこういう事をする、再発したくないからああいう事をする、というのは完全に個人レベルの努力なのです。言い換えれば自分の心配だけしている状態です。その状態から一歩踏み出して外に目を向けると、世の中にはガンで命を落とされる方がいまだに沢山いる、という否定しようのない事実にあたります。そして、そういう悲しい状況を改善するために何が必要なのか、という話になるわけです。国に何とかしてほしい。医者に何とかしてほしい。誰かが新薬を開発して、早くそれを使えるようにしてほしい。と色々なことを欲しい、欲しいと願っているばかりで自分が何もしないというのは、積極性が欠けているような気がします。より効果的なガンの治療法を発見するためには研究が必要で、研究にはお金がかかる。だったらそのお金を集める手伝いをして、医学の進歩に自分なりに貢献しよう。自分に直接恩恵がなくても次世代のために何かしよう。一人一人の力は小さくても沢山集まったら大きな違いができるだろう。

こういうポジティブで建設的な考え方ができる人が多い社会というのは、やはり大人なんだな〜と考えるようになりました。と言いつつ何もしてないんですけどね。


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パトリック・スウェイジが亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りします。すい臓ガンの治療が飛躍的に向上する日が早くきますように。



posted by leo at 22:45| Comment(2) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする