2009年07月02日

続・小さな一歩

今日(現地時間ではまだ7月1日)はカナダデーという祝日でした。
カナダデーはアメリカの7月4日のようにドラマチックな歴史もなく、国外ではほとんど知られていませんが、カナダの地味な独立記念日であります。アメリカと違い独立戦争はなく、カナダ諸州の植民地が集まって一つの国を作ろうと代表団をイギリスに送り、議会で承認されビクトリア女王によって宣言された、という友好的独立でした。それが起こったのが1867年7月1日。ちなみに1867年に日本では大政奉還がありました。つまりカナダの独立国としての歴史は、日本の明治維新後の歴史とほぼ同じくらいの長さなのです。若い国でしょ。

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さて、先日書いたASCO(American Society of Clinical Oncology 米国臨床腫瘍学会)の総会は学術ネタの宝庫なので、またいくつか卵巣ガン絡みの研究結果をピックアップしてみたいと思います。がっくりくるようなのしかないんですが、これが現代医学の姿なのだということを知っていただきたいという気持ちもあります。悲観的になる必要はありませんが、患者も家族も現実から目をそらすべきではないと感じます。

1.CA125値上昇は再発治療開始の指標となるか?

調査:ファーストライン治療を終えた患者のCA125を3ヶ月おきに測定し、値が基準値上限(35)の2倍を超えた時点で2つのグループに分け、グループ1では直ちに治療開始し、グループ2では症状、または臨床上再発が確認された後に治療を開始したもの。

結果:2つのグループ間に生存率の差は見られず。よって再発チェック用の定期的なCA125測定は価値がない。

感想:フフフ…うちの病院じゃ以前から症状がでてくるまで再発治療はしない方針でしたよ。この研究が行われたのはヨーロッパ。カナダと似た公立の医療システムなので費用対効果について厳しく目を光らせているのがわかります。

2.ファーストラインのカーボ+タキソールにジェムザールを足したら効果はあがるか?

調査:ステージIC〜IV対象。2つのグループに分けグループ1はカーボ+タキソール+ジェムサイタビンの3本立て、グループ2はカーボ+タキソールの初期治療を行う。

結果:無進行期間、生存率共にジェムザールを加えてもメリットなし。この結果は病気がかなり進行している患者群(IIB〜IV)でも比較的初期の患者群(IC〜IIA)でも同じ。

感想:製薬会社はさぞがっかりしたことでしょう。薬を増やせばいいってもんじゃないんですよ。効果は変わらず副作用だけ増えて残念でした。

3.タキソールの導入はステージIII、IVの生存率を延ばしたか?

調査:アメリカの卵巣ガン統計を3つのグループに分け生存率を比較。グループ1(1988-1991、タキソール導入前)、グループ2(1992-1997、セカンドラインでタキソール承認)、グループ3(1998-2003、ファーストラインでタキソール承認)。

結果:ステージIIIの2年生存率はグループ1→64%、グループ2→68%、グループ3→70%。ステージIVは39%、41%、42%。よってタキソールの導入は進行卵巣ガンの生存率を延ばしたと言える。ただ延び幅はあまり大きくない(特にステージIV)。

感想:ステージIIIだって生存率6%しか上がってないのですが… ステージIVの延び幅に至っては、この研究を行った医師団をして『臨床的には最小で実のところ意味の無い』と言わしめたほど。(clinically minimal and indeed not significant) レポートはさらに『新しい、もっと効く薬が切実に必要』と続きます。( a desperate need for new and more active drugs)
別にタキソールを敵視しているつもりはありませんが(少ししてるけど)、効き目について過信している風潮もあるように思えます。実際はこんなものなのです。というかタキソールは良い薬なのだけど、それ以上にガンが強いってことなんでしょうね。

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ところで先週の金曜日(6月26日)にCT撮ってきました。暖かい日だったし、バリウム沢山飲んで水分補給もばっちりだったので、注射は一回ですんなりいきました。結果は後のお楽しみです。どうかな〜。なんかまた水が溜まってるような気がしないでもないんだけど。進行してるって言われたら治療再開の前に旅行したいな〜。
【卵巣がんニュースの最新記事】
posted by leo at 16:19| Comment(4) | 卵巣がんニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月26日

ファラとマイケル

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2年8ヶ月あまり肛門ガンと闘ってきたファラ・フォーセットが、ついに力尽きて旅立たれました。今日(カナダはまだ25日)のお昼休みにエレベーターの中のテレビ速報で知りました。チャーリーズエンジェルのジルとして一世を風靡した人なので、その時点では芸能関係のトップニュースでした。

帰宅してから、やってるかな(ファラのこと)と思ってテレビをつけたら…

な、な、なんとマイケル・ジャクソンが急逝したという衝撃のニュース。ファラと違い、マイケルは生死にかかわるような持病があるという話なんて聞いたことがなかったので、ビックリ仰天でした。心不全とか、そういう心臓関係の急性疾患のようですが、解剖がすむまで詳しい死因はわからないそうです。カナダのチャンネルでも今夜はずっと特番を流していました。

ある意味で対照的な死のように感じられました。

ファラは長い期間、闘病生活を続け、特に再発後は化学塞栓療法という実験的な治療を受けるためにドイツとロスの間を何度も往復する生活だったようです。それでも治らず、ロスで最新の抗がん剤治験に参加するも奏功せず、身体的にはボロボロになりながらも最後まであきらめず、4月上旬にはかなり全身状態が悪くなっていたようですが、それからさらに3ヶ月近くも頑張りました。

一方マイケルは救急車が到着した時点で既に心停止していたらしく、医療チームの努力もむなしく蘇生することがなかったらしいです。闘病の苦労はなかったものの、心の準備をする暇もなく悔いの残る旅立ちだったかもしれません。

ファラは、ライアン・オニールという長年連れ添ったパートナーと親友に最期まで精神的に支えられ、家族愛や友情には恵まれていたようです。

マイケルは、私生活に関しては訳の分からないゴシップばかり報道されてきましたが、寂しい人だったのではないかという印象です。

どんな人生を送ってどんな最期を迎えてもをしても、命の重さに変わりはありません。それでも、自分はどんな風に生きたいか、死にたいか、人の幸せとは何なのか、などつい物思いにふけってしまう一日でした。
posted by leo at 13:42| Comment(2) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月21日

小さな一歩

6月も半ばを過ぎ、カナダもようやく初夏を感じさせる日が続くようになりました。といっても気温は昼間が22-23℃、夜が12-13℃くらいです。日本の基準からしたら、まだ肌寒いという感じかもしれませんが、なにしろ私が最後に日本の夏を経験したのは1991年なので、23℃は十分夏の気温です。来週は25℃を越えそうだと天気予報で言ってました。と聞いただけで、ん〜暑そう〜と思うのは、暑さに対する免疫がなくなってしまったからなんでしょうね。

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写真は先週末(6/13〜14)、家の近くでやっていた『ウーフストック』というイベントです。昔あった有名なロックの野外コンサート『ウッドストック』をもじった名前のこのイベントは、まぁ犬のお祭りみたいなもので(だからウーフ)、歩行者天国の道沿いにはペット用品、フード、保護団体、美容院、クリニックなど、犬に関するありとあらゆるサービスのテントが軒を連ねました。ファッションショー、美犬コンテスト、犬芸コンテストなどもあり、すごい人出(犬つき)でした。

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さて本題ですが(一応ガンがテーマのブログなので)、5月29日から6月2日までASCO(American Society of Clinical Oncology 米国臨床腫瘍学会)の総会がありました。有名な学会なので日本でも日経メディカルなどで取り上げられているようですが、発表された研究の要旨をASCOのサイトで見る限り、卵巣ガンに関してはあまりパッとした発見はなかったように思われます。一生懸命やってる医者の先生、研究者の方々には申し訳ないのですが、彼らにとって意義のある科学的、医学的進歩(小さな一歩)と、患者にとって意味のある治療の改善、生存率の向上(大きな一歩)の間にあるギャップを感じます。

発表された研究の内のひとつは、BRCA変異のある乳ガンと卵巣ガンの新しい治療薬についてでした。

BRCA1とBRCA2というのは、本来DNAを安定させ細胞が勝手に増殖するのを抑える役目を担っている遺伝子なのですが、変異して機能を果たさなくなってしまっている場合があります。そして変異したBRCA1とBRCA2を持って生まれてきた人は、乳ガンや卵巣ガンにかかるリスクが他の人より高いのだそうです。

BRCA変異はヨーロッパ系ユダヤ人の方や北欧の方に多く見られるそうですが、それ以外の人種、民族でも変異したBRCAの人は存在します。だからといって、誰も彼もが遺伝子検査をすればいいかというと、そういう訳ではないのです。ユダヤ人以外の人の場合は、次の条件に当てはまる場合にBRCA変異の有無を調べる価値があるようです。
−1等親の家族(母、姉妹、娘)の2人以上が乳ガンになり、その内の1人は50歳以下でガンになった。
−2等親(祖母、叔母、伯母)以内の家族、親戚の3人以上が乳ガンになった。
−1等親の家族で両胸が乳ガンになった人がいる。
−2等親以内の家族、親戚の2人以上が卵巣ガンになった。
−2等親以内の家族、親戚に乳ガンになった人と卵巣ガンになった人がいる。
−2等親以内の家族、親戚に乳ガンと卵巣ガンの両方になった人(多発)がいる。
−親戚に男性で乳ガンになった人がいる。

心当たりのある人は遺伝子検査をしてもらうことはできます。が問題は、検査して遺伝子に変異があることがわかっても、ガンを100%防ぐ手立てのないことです。マンモグラフィーや腹部の超音波検査などの頻度を上げて早期発見に努めるか、もしくは健康な乳房や卵巣を切除してしまうという強攻策にでるか。どちらにしても、自分はガンになる可能性が高いとわかって生きるのは精神衛生上良くない、という見方もできます。知らない方がずっと幸せな場合もあるので、検査すべきかどうかは人によると思います。

ともあれ、今回の研究で効き目があるとされたのはオラパリブ(olaparib)という分子標的剤で、トライアルは参加者が乳ガン、卵巣ガン各50名くらいの小さなものですが、1日400mg投与の場合の奏功率が38%(乳ガン)、33%(卵巣ガン)でした。参加者は皆すでに化学療法を2〜3回受けており、既存の抗がん剤が効かなくなっている状態なのを考慮すると、奏功率の数字は悪くないですよね。サンプル数が小さいのは気になりますが。それと奏功するというのは、単に病気の進行を遅らせているだけの話なので、『治す薬』と早とちりしないことが肝心です。また、この分子標的剤はBRCA変異している人だけに効くようなので(少なくとも現時点では)、それ以外の乳ガン、卵巣ガンの人は誰かが他のお薬を見つけてくれるのを待ちましょう。

(最初に書いた通り、患者の大きな期待を満たすほどの研究成果は容易に上がってこないのですよ…)

参照したのはこれこれこれです。
posted by leo at 17:26| Comment(4) | 卵巣がんニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月14日

ミクロの決死圏

卵巣ガンは3つの種類に大別されます。約90%以上は上皮性で、漿液性、粘液性、類内膜、明細胞など組織型によってさらに分かれます。上皮性の他には胚細胞と性索間質という異なるタイプの卵巣ガンがあり、どちらも稀なガンです。稀なガンということは、患者の数が少ない一方で研究もあまりされないので、かかってしまった人にとっては厳しい状況です。

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先ごろ、性索間質性卵巣ガンに最も多い顆粒膜細胞腫の原因と考えられる遺伝子エラーが特定されました。と聞いても、素人にはふぅ〜んとしか言いようがないのですが、どうやらこれは非常に画期的な発見のようです。ガンが細胞の病気である以上、狂ったように増殖するガン細胞のどの遺伝子がどう変異してしまっているのか、それを解明することが真に有効な治療法を確立するために必要だからだと思います。

6月10日付けのNew England Journal of Medicineに発表されたこの研究は、バンクーバーの科学者グループによって、最新のDNAシークエンシング技術を用いて行われました。小さなDNAを構成するさらに小さなヌクレオチド。卵巣の顆粒膜細胞腫に30億対あるというヌクレオチドの中の、ある一つの壊れたヌクレオチドが、このガンの犯人だというのです。まさにミクロの決死圏のような話です。

遺伝子エラーが特定されたことにより、それに照準をあわせた治療法の開発が可能になるのですから、性索間質性卵巣ガンの方にとっては、待ちに待った朗報と言えるでしょう。

そればかりではありません。今回の研究の成功により、DNAシークエンシング技術が臨床現場で大いに役立つことが証明されました。今後同じ技術を用いて、他のガンの遺伝子エラーも徐々につきとめられるのでは、と期待が高まります。

研究グループの一員、遺伝病理学者のデビッド・ハンツマン博士によると、個々のガンのDNAシークエンスを解読する力は、テーラーメイドの癌治療へ向けての大きなステップなのだそうです。同じガンでも人によって病気の進行も治療の効き目も違うのは事実です。でもそんな個人の違いは、お仕着せの治療を受けた後に結果論として扱われているのが現状です。一人一人のガンの遺伝子エラーの違いを初めから治療に反映できれば、個人レベルで効果を上げ副作用を軽減することが可能になるのではないでしょうか。

遺伝子研究は進みの早い分野なので、夢が現実になる日もそう遠くないのかもしれません。それでも実用化には50年くらいかかるのかな…?30年でどうかな…?

参考記事はこれこれです。
posted by leo at 16:14| Comment(2) | 卵巣がんニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月07日

余命に賭ける男

化学治療後のさえない気分を紛らわすためネットを見ていたら、ガンと楽しく闘っている人についての珍ニュース(?)にあたりました。

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『余命に賭ける』と言ったら、普通この『賭ける』は比喩的、精神的な意味で使われていると思うのですが、実際にお金を賭け、そして素晴らしいことに賭けに勝ち、2年間で約160万円を手にした方がいらっしゃるそうです。

この人はイギリスに住むジョン・マシューズさんで悪性中皮腫という予後の難しいガンになりました。悪性中皮腫というのはアスベストの吸引が原因とされており、治療が難しく、アメリカ癌協会(ACS)によると平均生存期間は4〜18ヶ月、5年生存率は10%といわれています。マシューズさんは2006年6月に余命6ヶ月と宣告されました。ところが6ヶ月過ぎても元気だったため、2007年6月に自分の寿命にお金を賭けることにしました。(よっぽど賭け事がお好きな方なんでしょうね〜。)

イギリスでは、ブックメイキングという総合ギャンブル業のようなビジネスを合法的に営むことができます。競馬、ポーカー、カジノ、プロスポーツだけでなく、選挙予想、視聴者参加テレビ番組の勝者予想などにも賭けることができるそうです。マシューズさんは、そういった会社のひとつ、ウィリアムヒルの営業所にご自分の医療データを持ち込み、熱心に説得して3年越しの賭けを成立させてしまいました。掛金は1年につき100パウンド(約1万6千円)x3で計300パウンド。オッズは1年目は50-1(2008年6月まで生存の場合)、2年目50-1(2009年6月)、3年目100-1(2010年6月)です。マシューズさんは既に2年連続して賭けに勝ち、配当金5000パウンド(約80万円)ずつを手にしたわけです。来年の6月まで生きていたら、さらに10000パウンドもらえます。

自分で自分の命にお金を賭けているわけですし、この賭けがあるということで長生きする意欲が増しているという点も考えると、決して不謹慎だとは言えません。またマシューズさんは勝ったお金から、マクミラン(ガン患者支援団体)とHULA(アニマルシェルター)というチャリティーに募金されているそうです。

さてこういうニュースを聞いて、反応は2通りなのではないでしょうか?

@自分も賭けたい
合法的にこういうギャンブルのできる国は少ないと思います。カナダではだめですし、多分日本でもだめですよね。また仮に賭けることが出来るとしても、しっかり余命宣告されるまで待たなければならないでしょう。もしかしたらセカンドオピニオンも必要かもしれません。まあいずれにせよ、柳の下にどじょうは2匹いないような気がします。

Aどうしたら余命より長く生きられるか知りたい
マシューズさんの場合、知り合いから紹介されたホメオパシーの薬を飲み始めたら体調が回復したとおっしゃっています。ホメオパシーのまぐれ当たりなのか、ほかの要因もあるのか、それはわかりません。なにしろ医者の見立てでは2006年のクリスマス前には死んでるはずだった人なので…

ご興味のある方のためマシューズさんのホームページはこちらです。
ページ右下のフォームに名前とメールアドレスを入れてJust Ask Meをクリックすると、折り返しメールで、件のホメオパシードクターの詳細を送ってくれます。ちなみに私、やってみました。別にスパムとか増えなかったし安全だと思います。

最後に、前述のギャンブル会社ウィリアムヒルは次の談話をよせています。
「このビジネスを30年やっていますが、勝った顧客に支払いをするのがこんなに嬉しかったことはありません。」

実は私も賭け事は嫌いではない方なので、とっても嬉しくなるニュースでした。
posted by leo at 16:50| Comment(4) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月04日

化学治療6回目

キモ外来の待合室につくと結構混んでいました。
昨日、無駄に待たされてキリキリしていたので、何だか気持ちがブルーに… でも沢山人がいたのは付き添いが多かったかららしく、30分も待たないうちに名前を呼ばれてホッとしました。

今日の問題は針がなかなか刺さってくれなかったことです。

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写真が見づらくて申し訳ありませんが、赤いポツポツは全部失敗作。

過去5回のキモでずっとこの静脈を使っていたので、もうイヤだよ〜と言っているように感じました。ヒートパッドで15分くらい暖めたのですがやっぱりダメ。あきらめて今回は肘の内側の静脈を使いました。

担当のナースさんは、あまり針刺しが上手くなかったような気もするのですが、とてもいい人で「何度も刺してゴメンネ、痛い思いをさせてゴメンネ」と繰り返し謝り、最後は針刺しの達人をどこからかひっぱってきました。達人がエイヤー、ブスッと突き刺したらやっと開通。担当ナースさんはその後も通りかかるたびに、「大丈夫?今日は大変だったね」と心配そうに声をかけてくれました。手先は少し不器用なのかもしれませんが、心は優しいし謙虚な態度なので腹は立ちませんでした。

6回目だと知っているので「これで終わり?」と尋ねられました。
「うん、とりあえずは。また来ると思うけどね。」と答えると
「このキモが本当に最後で、もう2度とキモを受けることがないといいのにね。」
なんてジンとするようなことを、泣きそうな顔で言ってくれました。
ビジネスライクな人が多い中、こういうナースさんもいるのですね。

それから、主治医のドクターM付きのナースさんは、昨日の言葉通りCTスキャンのアポと家で飲む造影剤など一式持って、キモルームまで来てくれました。CTは26日の予定です。

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↑入院したり化学治療を受けたりする時につけるリストバンドです。この先しばらくは必要なくなりそうなので記念撮影しました。
posted by leo at 14:39| Comment(2) | 抗がん剤治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月03日

白血球アップ免疫ダウン

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延期されていた化学治療の仕切りなおしのため、今日もう一度血液検査をしました。

       先週 → 今週
ヘモグロビン 10.3 → 10.6
白血球総数 2800 → 3600
好中球 1200 → 1900
血小板 208000 → 368000

あら〜さすが1週間待つと数が増えますね〜。
ほぼ健康人なみの数値!

で、当然のことながら明日6回目のキモセラピーです。

めでたし、めでたし。
と言いたいところなのですが、実は今日は病院で思いっきり待たされて結構頭にきました。
待って待って、挙句の果てにナースが「血液検査オッケーだったから帰っていいわ」と一言。
医者は顔を見せもしませんでした。
それだけのことで何故4時間待たせるの?
それに今回が一応最後の治療で、もう当分会わないかもしれないのに、今後のこととか話さなくていいわけ?今具合が悪くなかったら放っておかれちゃうわけ?

実は1ヶ月前にドクターに会った時、今の化学療法が終わったらどうするのかちらっと尋ねたのですが、答えはなんと「何にもしません。検査もしません。」だったんです〜。
「え〜」と驚いたら「だってグリグリは消えたでしょ。」
グリグリは消えたって他の場所で何か起こっていないという確証はないのに、推測だけで『寛解』って決め付けちゃうの?勿論ドクターには長い経験とそれに基づく直感があるのだろうけど、でもそのプロの当てずっぽうが見事に外れた事だってあるのに。(手術した時、子宮には転移していないと言い切っていたが、組織検査で転移が見つかりました…)

CTやって〜と食い下がったら、じゃあ6回目が終わってからって言ってたのに、それはどうなったのか〜?
目じりを吊り上げながらナースに尋ねると、ドクターに確認して明日私が点滴を受けてる間に知らせに来る、と言ってました。
何しろこちらの人は口先ばかりで、言ってることの半分くらいしか信じられないので、本当に知らせに来てくれるかどうか明日になるまでわかりません。(来なかったら電話するまでなんだけど。)

なんだかもうムカついて、ストレスで免疫が下がったような気がします。
posted by leo at 14:17| Comment(2) | 抗がん剤治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月31日

温度差?

5月ももう終わりですが、そのわりに朝晩は肌寒く、まだまだ初夏と呼ぶには早そうです。先週は昼間20℃を超えたのは金曜日だけで、あとは最高気温16-18℃くらいでした。

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でも街行く人の心はもう夏!なのでしょうか、半そで姿でサンダル履きの人を多く見かけます。特に若い女性はすごい!タンクトップとか肩の開いたサンドレスとか、真夏に着るような服をもう着ています。見てるほうが寒くなりそうです。

カナダで生まれ育った人は当然寒い気候に慣れていますから、15℃以上になったら半袖で十分なほど暖かく感じるのかもしれません。でも果たしてそれだけでしょうか?カナダ人、特に白人の方は、もしかしたら体温も少し高めなのでは…と思うことがあります。至近距離にいるとホンワカと暖かいし… 女性の方からも冷えて困るという話はあまり聞きません。夏になると、建物の中はクーラーが効き過ぎてチョー寒なんですが、皆さん素足にサンダルで、ストッキングはいてないんですよ。冷房よけのひざ掛けとかもなしでへっちゃら。冷え知らずって感じなんです。

それで思ったのは、日本でよく問題になっている『低体温』のこと。低体温だと免疫力が弱ってガンになりやすい、治りにくい体質になるから、と生姜湯を飲んだり色々と工夫されている人がいる、とあちこちに書いてあります。

ところがアメリカ、カナダ、イギリスの主要なガン協会、研究所などのサイトをチェックしても、『低体温』の話題は見つかりません。私の主治医も全く興味なしです。「身体を暖めた方がいいですよ」と言ったのは鍼の先生だけでした。

これは『低体温→低免疫』の仮説に問題があるというよりも、欧米には低体温の人があまりいないから関心が集まらないということなのでしょうか??

理論的には、基礎代謝の低い肥満気味の人が低体温になりやすいといわれています。また冷たいものを取り過ぎたり、ゆっくり湯につからずシャワーだけパパっと浴びてすませたり、といった生活習慣も低体温につながるそうです。

しかしカナダ人には身体が太めで、冷たい飲み物を沢山飲み、シャワーは10分、エアコンは20℃に設定、なんて人が一杯いて、でも低体温にならないのは何故??(高カロリーの食生活に対応しようと、身体がせっせと燃やす仕組みになっているのか??)

ちなみに欧米では平熱は37℃前後と言われています。(口の中で測った場合で、腋の下で測った場合より少し高いそうです。)病院では37.5℃以上なければ『熱がある』とは見なされません。日本人の平熱は36.5℃(腋の下)だそうなので、微妙な違いしかないのかもしれません。

私の体温は、家の体温計で測ると36.4℃、病院でキモの点滴の前に測ると36.7℃(どちらも口の中)。誤差は家の体温計が安物のためと判断し、病院の検温の方が正しいということにしてあります。(苦笑)




posted by leo at 14:38| Comment(3) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月27日

1周年記念

左卵巣茎捻転で緊急手術してから昨日で丸1年経ちました。組織検査でガンが発見されたのは多分その1週間後くらい、医者から告知されたのは6月10日です。でも私にとって一番忘れ難いのは5月26日です。それまでカゼひとつひかず、健康そのものだと思っていた私。身体より仕事を優先していた私。ガンという病気のことは勿論知っていたけれど、他人事だとおもっていた私。そんな私のイノセントディズが終わったのが去年の5月26日。あの日を境に私の人生は変わったのです。そう思うと感慨もひとしお。

まあ、とりあえず… 1年元気で生きたぞ〜!な〜んてちょっと嬉しい…

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それから今週に予定されていた6回めのキモセラピーは来週まで延期になってしまいました。

今日の血液検査の結果は:
ヘモグロビン 10.3
白血球総数 2800
好中球 1200
血小板 208000

これって↑そんなに悪くないですよね。と思うのは私だけなのかなぁ?主治医は好中球が少ないと渋い顔で(先月の結果と200しか違わないのに〜)、薬の量を減らして明日決行するか、あと一週間待つかどちらかだと言われてしまいました。もう本当にカナダの医者は無理をしたがらないですよね。まあインフルエンザ流行の折、患者の感染リスクがあまり高くならぬよう州からお達しがあったのかもしれません。

カーボプラチンひとつしか使ってないのに量を減らすっていうのは、さすがに気乗りしません。4週あけてるんですよね〜と不安げに私が言うと、「あと1週間待っても全然問題ないわよ」とドクターはあっさり。もしかしたら点滴と点滴の間隔って、そう厳密に守らなくてもいいものなのかも… G-CSF製剤(白血球の数を増やす薬)を使うという案も出たのですが、普通それを使うのは白血球がもっと低い人だし、私の場合は遅くても自力で回復しているようだから、今回はとりあえず骨髄さんにもう少し時間をあげてみる、ということで合意しました。骨髄の問題は、将来さらなる化学治療が必要になった際ネックになる可能性が高いので、その時にはG-CSF製剤を使わざるを得ないでしょう、という話もしてきました。

ところで、今日病院で見たニューフェイスは『貼り紙』です。立ち入り禁止のようなマークの下に「過去24時間に発熱、下痢、咳の悪化のあった人は、まずナースに相談すること」という指示が書かれていて、全ての出入り口にベタベタと何枚も貼られていました。大騒ぎはしてないけど、一応警戒態勢は取っているということのようですね。
posted by leo at 16:30| Comment(4) | 抗がん剤治療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月23日

アメリカのガン難民

日本でガン難民というと、まともな治療を受けられなかったり、治療の術がありませんと見放されてしまうガン患者さんを指すようです。(違っていたらごめんなさい。)

アメリカの場合、日本の国民健康保険や、カナダやヨーロッパの公的ヘルスケアのようなシステムではなく、主に雇用者を通じたプライベートの保険で医療費をまかなう仕組みになっています。不況で職を失う人が増えるということは、健康保険を持たない人も多くなるということです。さらに、不況で税収入が減ると公立病院の予算が削られ、保険のない人向けの医療補助も少なくなってしまいます。そんな状況下で、失業して保険も失ったガン患者はどうなるのでしょうか。

このビデオは"60 minutes"というドキュメンタリー番組で今年4月に放映されました。ラスベガスで、公立病院の外来の癌クリニックが閉鎖された為に治療を受けられなくなり、経済的理由による『ガン難民』になってしまった人達の話です。(アメリカでも他の州ではここまでひどくないようです、念のため。)

癌クリニック閉鎖 パート1




癌クリニック閉鎖 パート2



明らかに頭脳明晰な病院のCEO。さぞや高給、高待遇なんでしょうね。顔にシミやシワもなくお美しい。エステとかボトックスとかしょっちゅうやってそうです。別にこの人が悪人というわけではないのでしょうが、途方にくれている患者さん達とのコントラストがあまりにも激しくて、やるせない気持ちになりました。

同じ高収入でもスピリトス医師は顔つきが違います。ハートの大きさの違いかな?こういう人が主治医だったらいいのに、と思わずにいられませんでした。


posted by leo at 19:16| Comment(3) | 医療保険制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする