カナダデーはアメリカの7月4日のようにドラマチックな歴史もなく、国外ではほとんど知られていませんが、カナダの地味な独立記念日であります。アメリカと違い独立戦争はなく、カナダ諸州の植民地が集まって一つの国を作ろうと代表団をイギリスに送り、議会で承認されビクトリア女王によって宣言された、という友好的独立でした。それが起こったのが1867年7月1日。ちなみに1867年に日本では大政奉還がありました。つまりカナダの独立国としての歴史は、日本の明治維新後の歴史とほぼ同じくらいの長さなのです。若い国でしょ。

さて、先日書いたASCO(American Society of Clinical Oncology 米国臨床腫瘍学会)の総会は学術ネタの宝庫なので、またいくつか卵巣ガン絡みの研究結果をピックアップしてみたいと思います。がっくりくるようなのしかないんですが、これが現代医学の姿なのだということを知っていただきたいという気持ちもあります。悲観的になる必要はありませんが、患者も家族も現実から目をそらすべきではないと感じます。
1.CA125値上昇は再発治療開始の指標となるか?
調査:ファーストライン治療を終えた患者のCA125を3ヶ月おきに測定し、値が基準値上限(35)の2倍を超えた時点で2つのグループに分け、グループ1では直ちに治療開始し、グループ2では症状、または臨床上再発が確認された後に治療を開始したもの。
結果:2つのグループ間に生存率の差は見られず。よって再発チェック用の定期的なCA125測定は価値がない。
感想:フフフ…うちの病院じゃ以前から症状がでてくるまで再発治療はしない方針でしたよ。この研究が行われたのはヨーロッパ。カナダと似た公立の医療システムなので費用対効果について厳しく目を光らせているのがわかります。
2.ファーストラインのカーボ+タキソールにジェムザールを足したら効果はあがるか?
調査:ステージIC〜IV対象。2つのグループに分けグループ1はカーボ+タキソール+ジェムサイタビンの3本立て、グループ2はカーボ+タキソールの初期治療を行う。
結果:無進行期間、生存率共にジェムザールを加えてもメリットなし。この結果は病気がかなり進行している患者群(IIB〜IV)でも比較的初期の患者群(IC〜IIA)でも同じ。
感想:製薬会社はさぞがっかりしたことでしょう。薬を増やせばいいってもんじゃないんですよ。効果は変わらず副作用だけ増えて残念でした。
3.タキソールの導入はステージIII、IVの生存率を延ばしたか?
調査:アメリカの卵巣ガン統計を3つのグループに分け生存率を比較。グループ1(1988-1991、タキソール導入前)、グループ2(1992-1997、セカンドラインでタキソール承認)、グループ3(1998-2003、ファーストラインでタキソール承認)。
結果:ステージIIIの2年生存率はグループ1→64%、グループ2→68%、グループ3→70%。ステージIVは39%、41%、42%。よってタキソールの導入は進行卵巣ガンの生存率を延ばしたと言える。ただ延び幅はあまり大きくない(特にステージIV)。
感想:ステージIIIだって生存率6%しか上がってないのですが… ステージIVの延び幅に至っては、この研究を行った医師団をして『臨床的には最小で実のところ意味の無い』と言わしめたほど。(clinically minimal and indeed not significant) レポートはさらに『新しい、もっと効く薬が切実に必要』と続きます。( a desperate need for new and more active drugs)
別にタキソールを敵視しているつもりはありませんが(少ししてるけど)、効き目について過信している風潮もあるように思えます。実際はこんなものなのです。というかタキソールは良い薬なのだけど、それ以上にガンが強いってことなんでしょうね。
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ところで先週の金曜日(6月26日)にCT撮ってきました。暖かい日だったし、バリウム沢山飲んで水分補給もばっちりだったので、注射は一回ですんなりいきました。結果は後のお楽しみです。どうかな〜。なんかまた水が溜まってるような気がしないでもないんだけど。進行してるって言われたら治療再開の前に旅行したいな〜。
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