2009年09月15日

走ったり歩いたり

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カナダの短い夏が終わろうとしているので、屋外のチャリティイベントはラストスパートです。先週末はガン関連の大きなチャリティもいくつか開かれました。

ひとつは『The Terry Fox Run』です。テリー・フォックスは、カナダで過去/現在を通じてガンになった人の中で一番有名な方です。若くして骨肉腫にかかり右足を切断後、義足でカナダ横断マラソンに挑みました。29年前の話です。その後彼の遺志を継いで、カナダ中でテリー・フォックス・ランというマラソン大会が毎年9月に開催されるようになりました。今年は13日(日)でした。マラソン大会といっても本当に42キロ走るわけではなく、各ロケーションで距離はまちまちですが5キロ、10キロ、20キロくらいが多いようです。それらのコースを走っても歩いてもよし。自転車、ローラースケート、車椅子でもOK。と自由に参加できるコミュニティイベントになっています。

もうひとつは『Weekend to End Breast Cancer』(乳ガンをなくすための週末)というイベントでした。こちらは土日2日がかりの60キロウォーカソンで、当然のことながら参加者の大部分は女性です。乳ガンの患者さん、元患者さん、患者さんの家族や友達の方なども多数参加されたようです。なにせ女性8人に1人は乳ガンになる国なので、たいていの人は一人や二人、乳ガンになった知り合いがいるのです。女性のパワーを感じさせる迫力のあるイベントでプロモーションビデオまであります。



どちらのイベントも主目的はガン研究のための寄付金集めです。乳癌ウォークの方は基本的に乳癌の研究資金作りですが、今年は婦人科系の子宮ガンや卵巣ガンもおすそ分けをいただけるとのことです。

長距離を走ったり歩いたりするのと、募金集めがどう結びつくのかといいますと、まず参加者はイベントに登録します。そして家族、親類、友人、知人、職場の同僚、学校の同級生、近所の人、思いつくかぎりの人に「○○に参加することになって寄付を集めてるんだけど、どう?」と尋ねまくるわけです。チャリティが文化の一部になっているので、これで結構お金が集まるんですよ。冠婚葬祭にお金をつつむ習慣がない代わりに、「つきあい寄付」というのが社会生活を円滑に営むための必要経費となっているような感もあります。もちろん寄付の詳細(住所、氏名、金額)はきちんと記録して、お金といっしょに主催者に送られます。そして主催者がタックスレシートと呼ばれる領収書を発行します。寄付した人は、この領収書があると確定申告の際に寄付金を控除額として申告できるという仕組みです。なかなか良く出来たシステムでしょ。

私は日本生まれなので、あちこちで寄付を求められることにうんざりしていましたが、だんだん慣れてきた、というか見方が少し変わってきたように思います。ガンに限って考えると、自分が治りたいからこういう事をする、再発したくないからああいう事をする、というのは完全に個人レベルの努力なのです。言い換えれば自分の心配だけしている状態です。その状態から一歩踏み出して外に目を向けると、世の中にはガンで命を落とされる方がいまだに沢山いる、という否定しようのない事実にあたります。そして、そういう悲しい状況を改善するために何が必要なのか、という話になるわけです。国に何とかしてほしい。医者に何とかしてほしい。誰かが新薬を開発して、早くそれを使えるようにしてほしい。と色々なことを欲しい、欲しいと願っているばかりで自分が何もしないというのは、積極性が欠けているような気がします。より効果的なガンの治療法を発見するためには研究が必要で、研究にはお金がかかる。だったらそのお金を集める手伝いをして、医学の進歩に自分なりに貢献しよう。自分に直接恩恵がなくても次世代のために何かしよう。一人一人の力は小さくても沢山集まったら大きな違いができるだろう。

こういうポジティブで建設的な考え方ができる人が多い社会というのは、やはり大人なんだな〜と考えるようになりました。と言いつつ何もしてないんですけどね。


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パトリック・スウェイジが亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りします。すい臓ガンの治療が飛躍的に向上する日が早くきますように。



posted by leo at 22:45| Comment(3) | 日々の生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
色々な集会が、毎週のようにありますよね。
私は、集会に参加するのが苦手なので行きませんが、何か小さな事が出来たらしたいなあと思いつつ、
元気になってしまったせいか、何もしていないのが現状。
leoさんがこうして、毎週いろいろな記事やイベントを紹介して下さっているのも、
がん患者にとって、興味深い内容だし、治療に不安を抱いている人に、
たくさんの情報を提供していると思いますよ。
パトリック・スウェイジさん、亡くなられて残念です。最後のドラマがんばっていたのになあ。
それと、キモセラピー中にお母さんといなくなった少年、やっとキモセラピーが終わったそうです。
腫瘍は小さくなったのですが、放射線治療を始めるそうです。
元気になってほしいですね。


Posted by yoshiko at 2009年09月16日 08:41
yoshikoさん、
私は歩くのは好きなので10キロくらいは歩いてもいいなあと思って
いるのですが、寄付金集めの部分がやはりしんどいです。こっちで
生まれたわけではないので親類はいないし、知人も少ないから
募金してと声をかける相手も少なくて…というのも結局言い訳なんですが。
多国籍国家とは言え、チャリティーイベントに参加してせっせと寄付金を
集めているのは白人系が多いです。文化の違いは大きいのだと思います。

Posted by leo at 2009年09月17日 17:16
はじめまして。
大変ユーモアと専門知識に溢れたブログで、楽しく勉強させてもらってます。抗がん剤治療をできれば、軽く済ませたくて、私もカーボプラチンのみにしたいと思ってます。主治医は抗がん剤は必要量を投与しないと効果が出ないと反対するのですが・・その後おなかのグリグリはどうなりましたか?大きくなっていませんか?大きくなってないようなら、私もカーボ一本で、いきたいと思い質問させてもらいました。お忙しい中、お返事いただければうれしいです。
Posted by rioha at 2013年09月20日 09:38
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