2011年06月05日

坂道を転がるように(penmachineその2)

steep hill.jpg

(カナダ、ブリティッシュコロンビア州のDerek K. Millerさんのブログ「penmachine」を紹介させていただいています。今回は第2部です。)

Derekさんはファミリードクターから癌であることを告げられました。ファミリードクターは強いて言うなら日本の内科に近い印象を受けますが、内科だけではなくちょっとした外傷や皮膚の疾患、目や耳の不調などでも最初はファミリードクターに診ていただくのがカナダやアメリカの医療システムです。実際にファミリードクターとどんな会話があったのかはわかりませんが、Derekさんは自分の癌は初期であると受け取られたようです。

僕は多分ステージゼロではないかと思う。だとしたら必要なのは内視鏡による手術だけかもしれない。それで癌を切除してもらったら治るのではないか…
(2007年1月8日投稿「Please excuse the salty language」より)

しかしそう簡単には行かないことが徐々にわかってきました。大腸内視鏡検査にCT検査、内視鏡超音波検査が次々と追加され、腫瘍の切除には開腹手術が必要であると判明したのです。

(追加の検査や開腹手術のことを)誰も前もって教えてくれなかったのがイラつく…治療は継続中。僕はまだ楽観的に捉えているが、ベストのシナリオで事が運ぶのをもはや期待しないようになってきた。
(2007年1月24日投稿「Still in the woods」より)

内視鏡検査によるとDerekさんの腫瘍は大きさが3〜4cm。切除手術は大掛かりになるので2ヶ月は休職が必要というのが医師の話でした。

今のところ状況は非常に悪くもないが良くもない…転移しているようには見えないが、腫瘍を切除して組織やリンパ節を検査してみないと確かなことはわからないらしい。腸のほかの部分には何もないし肝臓も大丈夫だ…術後に化学療法や放射線治療をするのか、再手術が必要になるかどうかは未定だ。春中旬までにはほぼ正常に戻って今年の夏を謳歌できることを期待、希望している…精神的に押しつぶされそうだが、それが僕の治療計画だ。というわけで、今日1月31日を僕の癌治療のゼロ日目と呼ぼう。
(2007年1月31日投稿「I’ll be calling this Day Zero」より)

ところが治療はなかなか始まりません。直腸にできた良性らしき小さな瘤をまず切除し、それを検査してからメインの開腹手術をする予定までは決まったものの、最初の手術の前に再度S字結腸鏡検査を受けるよう言われました。Derekさんは苛立ちを感じ始めます。

もう検査には疲れてきた。同じ検査を3回も4回も繰り返すと余計に疲れる。去年の11月下旬から面談やら検査やら何度もやってきて、その間も癌は大きくなっていって、なのに誰も直接癌に手を下していない。僕は癌を取って欲しいんだ。
(2007年2月6日投稿「I’m confused」より)

そして癌であることの重圧が耐え難い日もあったようです。

午前1時なのにまだ起きている。眠れない…今日は怒りっぽくイライラしていた。その後、子供達の前で泣いてしまった。娘達は泣きたい時には泣いてもいいことを分かっていて、泣いてもいいんだよと言ってくれたけれど、父親が癌になって泣く姿なんて見せるべきではなかった。でも僕は怖い。若くして死ぬのが怖い。僕は怖い。
(2007年2月7日投稿「Miracle cures, and being afraind」より

2007年2月20日、ようやく1回目の手術が行われました。経肛門的内視鏡下小手術(TEM)という手術による小瘤の切除です。この程度の手術は欧米では日帰りで行われます。Derekさんは朝8時に手術室に入り9時半には麻酔から覚め、午後3時半には無事帰宅しました。この小粒については恐らく良性であろうというのが医師の見立てでした。Derekさんもそのつもりで手術を受けたのですが…

2〜3週間前に切除した小さな瘤は結局癌だった。おまけに一緒に切除したリンパ節からも癌が見つかった。執刀医のDr. Brownは組織検査の結果にショックを受けたと言っていた…癌は直腸の下部と上部の2箇所でリンパ節にも転移している。とするとステージ3ということだろう。ステージ0、1、2であって欲しかったのに。(でも少なくともステージ4ではない。)
(2007年3月5日「Let’s reset that timeline again」より)

日に日に深刻度を増す病状にもかかわらず、Derekさんが前向きに考えようと努力されている様子が伝わってきます。

(次回に続く)
posted by leo at 14:12| Comment(0) | 本やブログなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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