2008年12月27日

病気の番付

腹腔鏡手術後の心臓の不調は、結局ストレスにより心臓の血管が一時的に攣縮した為だろうという診断に落ち着きました。私としては大事がなくて何よりという感じだったのですが、循環器チームの先生達は何だか狐につままれたような顔をしていました。動脈硬化とか狭窄とか、そういう北米に多い疾患を予測していたのに外れてしまったので張り合いが悪かったのでしょうか。チーム内で一番ベテランそうな心臓医の先生が「血管攣縮は日本人に多いって聞いたことがあるよ」と、すまなそうにおっしゃいました。後で調べてみたら狭心症の一種(異型狭心症)のことでした。さらに、日本の資料によると異型狭心症にはカルシウム拮抗剤というのが有効でβ遮断剤は効かないとあるのですが、実は私が病院で処方されていたのはβ遮断剤だったのです… しかもこの薬は血圧を下げる働きがあるので、もともと低血圧気味の私の血圧は下がりまくってフラフラ状態になり「もういりません」と丁重にお断りした経緯がありました。素人考えですが断って正解だったのかもしれません。

ともあれ、木曜日は一応心臓の経過観察の為に病院に留まり(治療も検査もなし)ようやく吐き気も治まり、5月30日(金)、まだ腑に落ちない表情の若い先生(心臓発作の診断を初めに下した人)をせかすようにして退院しました。一泊の筈が四泊になってあ〜大変だった〜とため息をつきながらの帰宅でした。

こんな騒ぎをよそに、摘出された左の卵巣は着々と組織検査を受け癌が発見されていくわけですが、退院の時点ではそんな事とは露知らず、卵巣捻転はもう過去の話のように感じられました。前にも書いた通り、腹腔鏡の手術は術後の痛みもなく小さな傷口もみるみる内にふさがり、入院中毎日様子を見に来てくれた婦人科のレジデント曰くファ〜ビュラスな回復ぶりだったのです。後で様々なことが明るみに出るつれ、この手術はfabulous(サイコー)どころか、ある意味horrible(サイテー)であったことが判明したのですが…

退院してから癌の告知を受けるまでの10日間、私の心に若干不安の影を落としていたのは狭心症(もどき?)のことでした。実は数年前から時おり不整脈みたいなものも感じていたし、やはり老後まで健康を保つためには生活習慣を改めなければ、などとしおらしく考え、ピーナツバターは半分に減らし血圧計まで買って将来に備える努力を始めたのでした。

が、当然のことながら癌だとわかった途端状況は一転。心臓が危なくなるのはまだ20年くらい先の話(多分)。そこまで到達できるかどうか定かでなくなってしまった以上もう狭心症の心配なんかしてらんないよ、という心境に変わってしまいました。

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posted by leo at 14:40| Comment(0) | 手術(1回目) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月25日

ハートアタック?

入院2日目の5月27日、昼過ぎから吐き気がどんどん強くなってきました。全身麻酔のせいかと思ったのですが回復せず、胃のあたりから胸にかけて何とも表現しがたい不快感が広がってきました。それと同時に血圧も上昇。念のために撮った心電図で何やら異常が発見され、さらに血液検査でもトロポニンとかいうプロテインのレベルが上がっていることがわかりました。(心臓発作の後で上がることが多いらしいです。)

「ハートアタックですね。」と若くてきれいなレジデントの先生がにっこり。否応も無く婦人科から循環器科に移動され、血圧と心拍数のモニターにつながれ絶対安静の身となってしまいました。退院できると思ってたのに… 落胆と吐き気でよく眠れず悲しい2日目の夜でした。

入院3日目は血管造影で始まりました。そけい部の動脈からカテーテルを挿入してそこから心臓に造影剤を送り込むのです。と、説明すると怖そうですが、実は検査室に入ったとたんナースさんが「ねぇ、リラックスする薬欲しくない?」とそっと耳打ち。「欲しい〜欲しい〜」と麻薬中毒患者のような私。そしていただいた精神安定剤のおかげでカテーテル挿入時の記憶は全くありません。

血管造影の結果は…異常なし。え?ハートアタックじゃなかったの?

午後エコー(超音波)で診てもらうと心臓の壁の一部に厚くなっている部分があるけれど機能には支障が無いとのこと。まだ吐き気はあったけど、とりあえずひと安心。一方循環器の先生は、血管に異常のない私には興味を失ってしまったのか、そけい部にささったカテーテルを取り外すのを忘れたまま家に帰ってしまいました。(ぐすん。)ナースさんを通じてオンコールの先生を呼んでもらいようやく管を外してもらったものの、なにしろ動脈なので止血のため重〜いサンドバッグを股の上に乗せられ身動きとれぬままで一晩過ごしました。




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posted by leo at 16:34| Comment(0) | 手術(1回目) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月24日

ラ、ラパ… 何ですかそれ?

snow day.jpg
今日もまた雪でした。ホワイトクリスマスです。

で、話は5月26日に戻ります。

腹腔鏡のことを英語でlaparoscopyといいます。そのラパ何とかを使って手術すると言われても何のことやらよくわかりません。救いは、英語を母国語とする人でも医学の専門用語は知らない場合が多いので、頼まなくてもちゃんとわかりやすく説明してくれるということ。左右の下腹部(骨盤の上あたり)とお臍の計3箇所を小さく切開して、そこからカメラを入れ内部を診察した後、悪い部分(私の場合のう腫)を摘出するのだそうな。問題が大きい場合には開腹手術(open surgery)に移行することもありえる、と説明された上で同意書にサイン。この時点ではもうお腹の痛みがなくなるためなら何でもやります、という心境でした。

痛み止め(モルヒネ)のせいで眠くて眠くて、手術室に運ばれたことも覚えていません。次の記憶は、ふと目を覚ますと誰かが(多分ナースさん)「あ〜良かった、ずっと目を覚まさないので心配してたのよ」と声をかけてくれたこと。そしてまた眠りに落ち次に目を覚ますと、そこはもう普通の病室。トイレに行きたくてなって、周りを見回しても誰もいないし起き上がってみたらちゃんと動けるので、点滴を押して一人で行ってきました。

手術の傷の痛みはほとんどありませんでした。少しはあったのかもしれないけど、捻じれた卵巣の激痛に比べたら無いも同然で気づかなかったのかもしれません。

一夜明けてナースさんにいつ退院できるか尋ねると、「調子が良ければ今日の夜にでも」と嬉しい返事。日本に比べると北米は入院期間が短いという話は聞いたことがありましたが、噂以上にスピーディーなので感心するやら、ちょっと不安になるやら。

と、ここまでは結構調子がよかったのですが、この後予期せぬ併発に見舞われ退院は延期となってしまったのです。
posted by leo at 10:59| Comment(0) | 手術(1回目) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月23日

ER体験

snow night.jpg

先週の金曜日から雪が降ってばかりなので外は雪景色です。暖かい室内から眺めている分には良いのですが、一歩外にでると天然フリーザー。ただ今マイナス9度、風が吹くと体感温度はマイナス18度、と凍みるような寒さでございます。

さて話は暖かい初夏の5月に戻ります。

忘れもしない2008年5月26日月曜日。朝4時くらいに左下腹に刺し込むような痛みを感じはじめました。痛みは時間がたつにつれひどくなり吐き気も伴うようになり、直感でこれはただ事ではないと感じ救急車を呼びました。

救急医療というのはどこの国でも多少問題を抱えているのではないかと思いますが、私の住むカナダでも改善が求められている医療分野のひとつです。一番の問題は、救急病棟が常に混雑していて待ち時間が非常に長いということ。私の場合病院に着いたのが朝8時で医者に会ってとりあえず痛み止めをもらえたのが多分11時くらい。検査を受けられたのは午後、手術は夜、という具合でした。

救急病棟のことをERというのですが、テレビの「ER緊急救命室」とは大違いで、現実のERでは(こう言ってはなんですが)手際と態度の悪さが目に付きました。

通路に置かれた簡易ベッドに横たわり、ひどい腹痛と吐き気でろくに口もきけない状態の私に、病院の受付の人に始まって入れ替わり立ち代わり10人くらいの人(ナース、別のナース、レジデント、等など)がやってきて同じような質問を繰り返すのです。そして起きてトイレに行って検尿してこいと言うのですが、とにかく痛みで起き上がれないのです。そう説明しても検尿できなければ何の治療も出来ないと言われ、最期には若いナースに検尿ボトルを投げつけられました。医者が痛み止めの処置をして下さった後、ようやくフラフラと立ち上がれるようになり検尿したのですが、その時ナース達がひそひそと「でも膀胱炎や腎臓結石ではなさそうよね」と言っているのが聞こえました。だったら何であんなに検尿のことで騒いだのよ!とムッとしつつも怒る元気もなく痛み止めが誘発した眠りに落ちた私でした。

午後になってエコーの検査をしてもらった結果、左の卵巣にできたのう腫が捻転を起こしていることがわかりました。その時点で総合病院のERから隣の病院の婦人科に移され、そこで腹腔鏡による手術を受けることになったのです。

posted by leo at 15:10| Comment(0) | 手術(1回目) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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